五色池通信 245 2004年8月10日発行
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6月20日、葛西東渚・鳥類園友の会の協力を得て、えどがわエコセンター自然部会が行なった葛西臨海公園東渚ミニクリーン作戦は、台風の接近で開催が危ぶまれたが、実施され、小中学生も含めて60人が参加して、成功裏に終わった。

西渚は橋もかかっていて自由に立ち入りできるが、東渚は自然保護区として、通常は人は一切近づけない場所となっている。東京湾から押し寄せるゴミが堆積し、ヨシ原や底に住む生き物にも影響しているのを見かねて、ここで野鳥観察を続けていた「葛西東渚・鳥類園友の会」の人たちが、都漁連内湾釣漁協議会の協力を得て、3年前から年2回クリーン作戦を実施してきた。これまでのクリーン作戦は、平日に漁協が釣り船を無料で提供して実施されていたが、今回は一般の人が参加できるようにと、船を有料でチャーターして、土曜日に実施した。そのおかげで、平日には参加できなかった勤め人や、小中学生が先生と一緒に参加できた。

午前9時に、船着場に集合し、乗船して、東渚に渡り、前半約1時間をゴミ拾い、後半は生き物調査と自然観察を行った。ゴミは、荒川クリーンエイド・フォーラムが呼びかけている春のクリーンエイドの一環として実施され、約70袋のゴミを回収した。生き物調査は、鳥と水生生物、植物について行われ、その結果が参加者の前に発表、説明された。参加した大杉小学校4年の児童は、「誰も来れないなぎさに、ゴミがたくさんあるのはどうして?」と発言、大人たちも改めてゴミが流れ着く現状を認識させられた。東渚は、荒川と江戸川の河口にはさまれた位置にあり、両川から流れ出るゴミが風向きや潮の流れに乗って流れ着くものである。

東渚は、約30年前に埋め立てで創られた人工の渚であるが、大きな砕石にはびっしりとカキが着き、砂地には様々な貝やカニが住み着き、水際にはヨシが生えている。カルガモのすも発見され、ここが生物にとってかけがえのない自然地となっていることがわかる。

また、水質調査にも協力してくれた、立教大学大学院生の糸岡君は、次のような感想を寄せている。なお、糸岡君は、午後に葉五色池の活動に参加し、トン汁や竹の弓など見るものすべて「すばらしい」を連発していた。

       ≪以上報告 佐藤正兵≫

6.20葛西東渚 ミニ・クリーン作戦

参加した学生の感想

今日は朝から本当にお世話になりました。個人的には民間、NGONPO、自治体、学校、企業といった様々なセクターの方々が今回のミニクリーン作戦&調査に参加し、相互に目的意識の共有・実行を成し得たことに感激を覚えました。私が生後育まれ続けた大阪では本日のような活動がなく、あるいは私が知らないだけかもしれませんが、今日のような活動はこれまで体験したことがなく、ただ言葉に表すことができないほどの素晴らしさを感じでおります。こうしたあらゆるセクターとのパートナーシップ、専門家と一般市民との協同実践は、地域をよりよい街へと発展させる上で非常に理想的な構図であり参画であると思います。今後は、さらに地域住民の参画の場あるいは機会の提供と、さらなるプログラムの充実化に期待したいと思います。

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